妊娠中の母体には、おなかの赤ちゃんの発育が進むにつれて様々な変化が起こります。特に妊娠11週(3か月)頃までと妊娠28週(8か月)以降は、からだの調子が変化しやすい時期ですので、仕事の仕方、休息の方法(例:家事や仕事の合間に少しの時間でも横になり、からだを休める)、食事のとり方など十分注意しましょう。
普段より一層健康に気をつけ、出血、破水、おなかの強い張りや痛み、胎動の減少を感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
妊娠中は特に気がかりなことがなくても、少なくとも毎月1回、妊娠24週(7か月)以降には月2回以上、さらに妊娠36週(10か月)以降は毎週1回妊娠健康診査を受け、胎児の育ち具合や自身の健康状態(血圧、尿など)を診てもらいましょう。
健康で無事な出産を迎えるためには、日常生活、栄養、環境その他いろいろなことに気を配る必要があります。医師、歯科医師、助産師、保健師、管理栄養士、歯科衛生士などの指導を積極的に受け、妊娠、出産に関して悩みや不安があるとき又は家庭、職場でストレスがあるときなどは遠慮せずに相談しましょう。市主催のパパママ教室に参加し、保健師や助産師に悩みなどを相談したり、マタニティーライフに役立つ情報を得たりしましょう。
出産前後に里帰り出産などで帰省する場合、できるだけ早期に分娩施設に連絡するとともに、市こども家庭センター(0192-47-5200)母子保健係に手続きなどを相談しましょう。
妊婦健康診査をきっかけに、次のような妊娠中の異常(病気)が見つかることがあります。
妊娠22週未満に妊娠が終了してしまう状態です。性器出血や下腹部痛などの症状が起こります。妊娠初期の流産は特に原因がなくても、妊娠の約10~15%に起こるとされています。2回以上流産を繰り返す場合は、検査や治療が必要な場合があります。
妊娠中は血が薄まって貧血になりやすいとされています。出産に備え、鉄分を多く含む食事を取りましょう。ひどい場合には、治療が必要になります。
正常な時期(妊娠37週以降)より早くお産になる可能性がある状態です。下腹部痛、性器出血、前期破水などの症状が起こります。安静や内服などの指示が出されます。
妊娠中は、それまで指摘されていなくても糖尿病のような状態になり、食事療法や血糖管理が必要になることがあります。
高血圧と尿蛋白がみられる状態です。急に症状が悪化することがあり、「強い頭痛がつづく」「目がちかちかする」といった症状がある場合などは要注意です。
胎盤の位置が正常より低く、子宮の出口をふさいでいる場合をいいます。大出血を起こすことがあります。出産時には帝王切開が必要になります。
赤ちゃんに酸素や栄養を供給する胎盤が、出産前に子宮からはがれて(剥離)しまう状態です。赤ちゃんは酸素不足になるため、早急な分娩が必要になることがあります。主な症状は腹痛と性器出血ですが、胎動を感じにくくなることもあります。
出産後のお母さんは、訳もなくイライラしたり、気持ちが落ち込んだりすることがあります。産後のホルモンなど体の内部の変化や、慣れない育児の疲れなどが原因とされています。
「産後うつ」は、産後のお母さんの10~15%に起こるとされています。出産後は、お母さんは赤ちゃんの世話に追われ、自分の心や体の異常については後回しにしがちです。また、お父さんや周囲の方も赤ちゃんが最優先となり、お母さんの変化を見過ごしてしまうことがあります。「産後うつかもしれない」と思ったときは、迷わず医師、助産師、保健師に相談しましょう。
妊娠中や出産時に異常があった場合は、出産時も引き続き治療や受診が必要な場合があります。経過が順調と思われるときでも、医師の診察を受けましょう。